愛媛県 今治市及び越智郡11か町村合併協議会(今治市)

基本情報
市町村名 合併年月 合併形態
今治市及び越智郡11か町村合併協議会(今治市) 平成17年1月 新設合併
調査対象項目
保育料 印鑑証明 生活援助員派遣
合併後市町村特徴
 今治市を含む12市町村は、産業において全国でも有数の造船と海運の集積地となっている。もともと、しまなみ海道の開通により、地域間の結びつきが強い地域であったが、合併によってさらにその特性が強化された世界でも類をみない「海事都市」が誕生する。
市町村面積・人口等
市町村名 面積:
km2
人口:
 
一般会計:
百万円
特別会計:
百万円
職員数:
合併直後
(H16.3)
今治市
【イマバリシ】
419.56 180,627 71,987 70,946 1,839
合併直前
(H164.1)
(1) 今治市
【イマバリシ】
74.84 117,930 39,050 41,982 740
(2) 朝倉村
【アサクラムラ】
31.27 5,008 2,153 2,346 40
(3) 玉川町
【タマガワチョウ】
103.90 6,072 2,634 2,537 55
(4) 波方町
【ナミカタチョウ】
15.67 9,960 3,779 3,974 81
(5) 大西町
【オオニシチョウ】
18.81 8,802 3,477 3,151 87
(6) 菊間町
【キクマチョウ】
36.97 7,651 4,649 3,126 95
(7) 吉海町
【ヨシウミチョウ】
27.72 4,799 2,905 3,341 71
(8) 宮窪町
【ミヤクボチョウ】
18.38 3,671 2,552 2,189 73
(9) 伯方町
【ハカタチョウ】
20.85 8,031 3,326 2,779 103
(10) 上浦町
【カミウラチョウ】
22.31 3,606 2,643 1,914 64
(11) 大三島町
【オオミシマチョウ】
43.32 4,232 3,410 2,836 72
(12) 関前村
【セキゼンムラ】
5.52 865 1,409 771 57
連絡先
住所・連絡先 住所 愛媛県今治市別宮町一丁目4番地1
電話 0898-36-1503
FAX 0898-22-3441
URL http://www.islands.ne.jp/imabari/index.html
E-mail kikaku@imabari-city.jp
全般的な内容
合併の契機
 愛媛県内第三の人口規模を有する今治市と島嶼部を含む近隣の越智郡15か町村は古くから、瀬戸内の交通の要衝として栄えるなど、歴史的・文化的な共有性を有し、産業面においても造船・海運業、かんきつ農業など共通の産業基盤を有している。また、陸地の道路網が今治市に集中するとともに、今治港から島嶼部と結ぶ航路網が張り巡らされるなど、交通の面でも結び付きが強い。さらに、平成11年の「瀬戸内しまなみ海道」開通をはじめとした交通網の整備により、生活圏としての一体感はますます強固になっていた。また、行政運営においても、共通の地域課題に対処するため必要に応じた広域行政組織を有しており、各種の協議会や連絡会の活用など、強い結びつきを有している。
 一方、近年における生活圏の広域化、住民の価値観の多様化とともに、住民ニーズも複雑かつ高度化するなど、市町村をとりまく環境は大きく変化し、国においても住民に身近な問題は、自治体が自らの創意工夫と自己責任のもとに実施することが望ましいとの方針から、地方分権を推進しており、これに伴う行財政健全化対策もあり、市町村合併が現実味を帯びてきていた。
 こうした中、愛媛県において平成13年2月に「愛媛県市町村合併推進要綱」を策定、その中で合併市町村の枠組みを示した「合併パターン」が示され、市町村合併をめぐる議論が本地域でも一段と高まりをみせた。平成14年1月、中心都市である今治市の市長の呼びかけによる、今治圏域16市町村の対等合併の検討が始まった。しかし、15町村の内、弓削町、岩城村、生名村、魚島村の上島地域4町村は生活圏域が比較的広島県寄りであることなどから、早い段階で4町村による合併を進めることとなった。これにより、今治・越智郡11か町村の枠組みが定まり平成14年8月の任意協議会の立ち上げを経て、平成14年11月法定協議会を立ち上げ、合併協議を進め、平成17年1月合併した。
 なお、今治市が人口においては新市の3分の2を占め、交通の中心地でもあるなど、中心都市であるが、当初から対等の立場で協議を進めたいとの意向を表明し、近隣町村に合併協議への参加、任意協議会の立ち上げを呼びかけるなど、リードしてきた。
公共料金決定の経緯
(基本的な考え方)
 本協議会においては、合併後18万人の都市となることから、その人口規模にふさわしいサービスのあり方を模索するなかで、それに見合う手数料や使用料については、受益者負担の公平の原則に基づいて、合併時に統一することとした。
(合併協議会等での議論の内容・最終的な決定方法)
 本協議会においては、事務事業の調整については、基本的には担当者レベルの分科会、課長級の専門部会、助役級の幹事会、合併協議会という順序で段階を追って協議してきた。まず、分科会レベルで各市町村の現況把握の後、すり合わせを行った。途中段階でも、各市町村においては、随時、関係団体とへの調整の趣旨説明、理解取り付けを行うなど、意向反映に努め、調整案への反映を図ってきた。そのため、協議会の議題とする段階では、金額をいくらにするかなどの細かな点も含めて、既に関係者の意向も踏まえた一定の「案」としてまとまっており、合併協議会においては、細かい点からの議論は特に行われなかった。なお、合併協議会においては議題として提案、趣旨説明を行い、原則として次回の協議会で確認するなど、「前協議」を原則とし、その間に関係団体等の意見聴取など、住民の意向確認に努めた。
 議論の中身としては、水道料金で島嶼部と陸地部で料金の格差が大きく、合併当初からの統一を図ることが困難なため、調整が難航したが、それ以外の項目については、人口規模や近隣類似都市との比較等を参考にして、人口割合の高い今治市が中心となって原案を作成した。
(住民の意見の取り入れの有無)
 合併協議会においては、半数を行政・議会関係者外とするなど、住民の意向を反映するよう努めてきた。
 計3回の住民説明会(資料は協議会が共通のものを用意するが、具体的方式要領等は各市町村の任意)により、合併の基本的な考え方と併せて、公共料金についても説明、意見を汲み取った。また、今治市においては、各種団体からなる「合併問題を考える市民の会」を組織し、その意見を参考とした。
(住民への周知方法)
 住民説明会(上記)のほか、ホームページ掲載、「合併協議会だより」、さらに各市町村において独自に行政懇談会、広報紙への掲載、関係者連絡会等を活用、周知を図った。
財政状況と公共料金の関係
 財政的には各市町村ともに非常に厳しいものの、即公共料金を上げて歳入増を図るという方針は採りがたい。また、使用料・手数料などは財政の歳入項目内において大宗を占めるとは言えず、財政状況を理由とした公共料金改定は避けた。
 しかし、水道料金など独立採算が基本である分野については、合併後の情況を勘案し、試算した上で料金を設定すべきという姿勢で臨んだ。
 なお、今治市においては、予算編成に併せて3年ごとに公共料金の試算を行うこととしており、事務処理に要するコスト、近隣都市や類似規模都市との比較等社会状況に沿った適正な料金かどうかの点検を全庁的に行っている。
その他
 特になし。
保育所保育料
市町村名 料金 料金の単位・その他
国基準と比較して○○%(年間)

● 各市町村の保育料階層
合併後  12階層

今治市   9階層
朝倉村  14階層
玉川町   9階層
波方町  18階層
大西町  12階層
菊間町  13階層
吉海町  17階層
宮窪町  17階層
伯方町   7階層
上浦町  17階層
大三島町 17階層
関前村  17階層
合併直後
(H17.1)
今治市
【イマバリシ】
88%
合併直前
(H16.10)
(1) 今治市
【イマバリシ】
95%
(2) 朝倉村
【アサクラムラ】
78%
(3) 玉川町
【タマガワチョウ】
94%
(4) 波方町
【ナミカタチョウ】
73%
(5) 大西町
【オオニシチョウ】
72%
(6) 菊間町
【キクマチョウ】
67%
(7) 吉海町
【ヨシウミチョウ】
80%
(8) 宮窪町
【ミヤクボチョウ】
84%
(9) 伯方町
【ハカタチョウ】
80%
(10) 上浦町
【カミウラチョウ】
62%
(11) 大三島町
【オオミシマチョウ】
62%
(12) 関前村
【セキゼンムラ】
61%
公共料金決定の経緯
(基本的な考え方)
 保育所は、あくまでも国の認可事業であり、その基準に沿って事業を行っており、保育料もその一つである。 年度途中の合併であることから、合併年度(平成17年1月から3月)については、現行どおりとし、平成17年度から国の保育所徴収金基準を参考として統一する。
(合併協議会等での議論の内容)
 協議会においては特に問題なく調整案が確認されたものの、分科会や幹事会など担当者レベルにおいては、12市町村それぞれが料金徴収金基準の区分や料金設定が異なっていたことから、調整は難航した。(上記保育料階層を参照。)
 新市において入所児童数が約3分の2を占める旧今治市では、他の町村と比べ保育料の階層区分が少ない状況であった。そのため、各階層において、同じ所得でも保育料が他町村より高い状況になる例が見られたため、分科会や幹事会等において新市の保育料の階層をそれぞれの世帯の収入に見合った保育料になるように他町村を参考に階層を細分化する調整がとられることとなった。
 その結果、階層区分が減少したことによって逆に保育料が増額となった旧町村もあるものの、入所児童数が約3分の2を占める旧今治市においては、保育料階層を細分化したことによって保育料が合併前よりも下がった。
(住民の意見の取り入れの有無)
 協議会としては住民の意見を直接聞いたわけではなく、分科会など担当者レベルにおいて、住民説明会での意見を反映させた。
(最終的な決定の方法)
 基準区分の細分化による、新市での保育料を算定し直し、決定したものであり、88%を目安としたものではない。
(住民への周知方法)
 合併協議会だより(毎月発行)に試算結果も含めて掲載。
効果の検証
(料金が変更したことに対する住民の反応)
 住民説明会で調整内容を記したパンフレットをもとに説明したほか、広報誌などに掲載したが、料金が変更になったことに対する意見は特になかった。
(料金以外の効果(利便性の向上、安定した供給等))
 保護者の保育ニーズは多様化し、各地域の保護者からの要望は様々であり、例えば市内においては保護者の就労形態もさまざまであることから、延長保育などのニーズが高いが、島嶼部などではそういったニーズはあまりない。新市においては、総てサービスメニューを統一するのではなく、地域性にあった保育を実施し、保育ニーズに応えていく予定。さらに、保育所職員配置も従来の旧市町村の枠を越えて広域的に行えるようになる。そうした中で、従来実施しづらかった保育サービスが各地で実施できるようになることも考えられる。
財政状況と公共料金の関係
 財政状況との関係について事務レベルも含めて特に議論にならなかった。
今後の展望
(公共料金の今後の見通し(料金改定の見込み等))
 保育料については、国の保育所徴収金基準に基づいて算出されており、その基準が変更となれば、合併の有無に関わりなく、見直しが行われる。
その他
 特になし。
印鑑登録証明書交付手数料
市町村名 料金 料金の単位・その他

本人の印鑑登録証明書を1通発行する場合(本人受け取り)
合併直後
(H17.1)
今治市
【イマバリシ】
200円
合併直前
(H16.10)
(1) 今治市
【イマバリシ】
200円
(2) 朝倉村
【アサクラムラ】
200円
(3) 玉川町
【タマガワチョウ】
200円
(4) 波方町
【ナミカタチョウ】
200円
(5) 大西町
【オオニシチョウ】
200円
(6) 菊間町
【キクマチョウ】
200円
(7) 吉海町
【ヨシウミチョウ】
300円
(8) 宮窪町
【ミヤクボチョウ】
300円
(9) 伯方町
【ハカタチョウ】
300円
(10) 上浦町
【カミウラチョウ】
300円
(11) 大三島町
【オオミシマチョウ】
300円
(12) 関前村
【セキゼンムラ】
300円
公共料金決定の経緯
(基本的な考え方)
 手数料については、一体性の確保をはかるとともに「負担の公平の原則」により、合併時に統一することとし、利用割合の高い今治市の例により調整した。
(合併協議会等での議論の内容)
 特になし。分科会の原案を合併協議会において決定。
 住民への周知として、「合併協議会だより」に掲載する等したが、住民票写し交付手数料等ともに併せて行っており、印鑑証明交付手数料等を取り上げたものではない。
効果の検証
(料金が変更したことに対する住民の反応)
 なし
(料金以外の効果)
 合併して、電算システムも統合されることによって、新市のエリアにおいては本庁のほか、どの支所でも証明書を交付できるようになり、住民にとっての利便性は増す。
財政状況と公共料金の関係
 印鑑登録証明書交付手数料については、財政状況などを勘案して決定されたのではなく、利用割合の高い今治市の例により調整された。
今後の展望
 今治市においては、3年ごとに財政課から公共料金の試算をすることとなっており本手数料についても、事務コスト等も勘案し、見直しが行われる見込みである。(先述)
その他
 特になし。
生活援助員派遣
市町村名 料金 料金の単位・その他

1回あたり利用料金本人負担金(週1回、1時間の家事援助サービス)
合併直後
(H17.1)
今治市
【イマバリシ】
80円
合併直前
(H16.10)
(1) 今治市
【イマバリシ】
-
(2) 朝倉村
【アサクラムラ】
150円
(3) 玉川町
【タマガワチョウ】
150円
(4) 波方町
【ナミカタチョウ】
-
(5) 大西町
【オオニシチョウ】
-
(6) 菊間町
【キクマチョウ】
-
(7) 吉海町
【ヨシウミチョウ】
-
(8) 宮窪町
【ミヤクボチョウ】
100円
(9) 伯方町
【ハカタチョウ】
-
(10) 上浦町
【カミウラチョウ】
-
(11) 大三島町
【オオミシマチョウ】
-
(12) 関前村
【セキゼンムラ】
-
公共料金決定の経緯
 料金体系は旧町村間で差異がみられ、基準区分が多いところで21階層にも細分化されていたため、一本化を図るのが難しかった。
 各階層の負担が合併前より大きくならないようシミュレーションを実施して調整を図った結果、国基準の中間層を細分化し、9階層の料金体系が設定されることとなった。
効果の検証
 平成16年4月から料金が統一されているが、入所受付等は旧町村で行われ、特に大きな変化はないことから、現段階では合併の効果や住民からの反応は特にみられない。
財政状況と公共料金の関係
 住民の所得の見通しを立てるのは難しかったが、合併後の財政への影響を考慮し、負担が最も低い町の基準に合わせるのではなく、シミュレーション結果をもとに、新たな料金設定が行われた。
今後の展望
 今後は住民の利便性向上を図るため、通園区域の見直しを含め、保育サービス面での充実を検討する必要がある。
その他

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