三重県 志摩市

基本情報
市町村名 合併年月 合併形態
志摩市 平成16年10月1日 新設合併
調査対象項目
水道 一般ごみ 粗大ごみ
保育料 給食費 生活援助員派遣
合併後市町村特徴
 志摩市は三重県の東南部に位置し、北は伊勢市・鳥羽市、西は南勢町に接し、南・東は太平洋に面している。伊勢志摩国立公園に含まれており、中でも英虞湾、的矢湾といったリアス式海岸が特徴として挙げられる。
 豊かな自然環境に恵まれ、産業としては水産業、観光業、平野部では農業が中心となっており、第1次産業就業者数の構成比(14.5%)と第3次産業就業者数の構成比(61.6%)はいずれも三重県平均(第1次産業:5.4%、第3次産業:57.7%)を上回っている。
市町村面積・人口等
市町村名 面積:
km2
人口:
 
一般会計:
百万円
特別会計:
百万円
職員数:
現在
(H16.9)
志摩市
【シマシ】
179.63 61,716 - - 929
合併直後
(H16.3)
志摩市
【シマシ】
179.63 61,796 6,711 4,586 931
合併直前
(H164.1)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
27.64 5,805 4,131 1,865 118
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
12.90 8,492 3,693 2,572 173
(3) 志摩町
【シマチョウ】
17.01 14,522 4,674 3,958 249
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
43.88 23,636 6,962 5,244 253
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
78.20 9,331 5,478 2,583 151
連絡先
住所・連絡先 住所 三重県志摩市阿児町鵜方3098番地9
電話 0599-44-0206
FAX 0599-44-5252
URL http://www.city.shima.mie.jp/
E-mail gappei@ city.shima.mie.jp
全般的な内容
合併の契機
 旧浜島町、旧大王町、旧志摩町、旧阿児町、旧磯部町の志摩地域5町は、気候・風土、地勢、産業、生活文化など、多くの面で地理的、歴史的に強く結びついた地域であった。旧志摩郡もこの5町で構成されており、日常生活圏や広域行政の取り組みなどでも多くの共通点を有していた。
 合併の契機としては、平成9年年3月にASK(明日の志摩を考える会)及び志摩青年会議所代表者が住民署名を添えて合併協議会設置請求書を各町長に提出したことが挙げられる。この住民発議による合併協議会設置請求は2町で否決され、協議会の設置は見送られたが、平成13年2月には志摩郡町村会・議長会勉強会が開催され、5町が今後も自主的に合併問題に取り組んでいくことが申し合わされた。
 平成14年4月に志摩地域合併問題協議会が設置(平成14年9月に旧磯部町が1市7町での広域合併を主張して志摩郡の合併構想から離脱していたため4町で構成)、平成15年4月に志摩地域合併協議会(法定協議会)が設置(平成15年6月旧磯部町正式加入)され、平成16年10月に志摩市が誕生した。
公共料金決定の経緯
 合併協議会では個別項目の料金設定ではなく、全体的なバランスを考慮して議論が行われた。旧町間で異なる料金体系について、統一できるものは合併当初の平成16年10月1日から統一するというのが基本的な考え方であったが、料金に幅がある項目については5年間の経過措置が設けられ、段階的に調整されることになった。
 各種公共料金を検討するうえで基準となったのが水道料金の決定プロセスであり、他の料金を決定する際にも、旧町間で大きな料金格差がみられる場合には、水道料金設定の考え方にもとづいて段階的に調整される方法が取られた。
 個別項目の調整方針や新市の料金体系については、住民説明会(28会場)の開催とともに、「志摩地域合併協議会だより」(全世帯配布)に掲載することで周知が図られた。
財政状況と公共料金の関係
 旧5町の公債費負担比率や経常収支比率は上昇傾向にあり、旧町で設定されている低い料金体系や高いサービス水準を新市全域で実施した場合、持続的な財政運営が難しくなることから、コスト意識をもつ必要性が認識された。そのため、旧町の財政バランスが考慮され、統一できない項目については各町における現行料金を加重平均するという方法により新たな料金が設定されることになった。
 実際には経過措置が設けられた項目が多いことに加え、合併後間もないということもあり、合併前と比較して現段階では財政状況への特に大きな影響はみられない。
その他
 今後3〜5年で団塊世代が退職することになるが、補充を控えることにより、おおよそ10年かけて200人程度の削減を行う方針が立てられている。
水道料金
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
口径13oの水道を一般家庭で20m3/月使用した場合の1ヶ月の料金
経過措置後
(H22.4)
志摩市
【シマシ】
4,189円
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
4,200円
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
4,641円
(3) 志摩町
【シマチョウ】
4,704円
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
3,465円
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
3,853円
公共料金決定の経緯
 合併協議会では財政への影響を検討するため、料金を最も低い町に合わせた場合など、複数のパターンについてのシミュレーションが行われた。しかし、実際には旧町間での料金格差が著しく大きかったため、合併当初から統一を図ることは困難という結論に至り、5年間の経過措置が設けられることとなった。
 平成17年4月から3年間は旧町における従来どおりの料金体系で運営され、平成20年4月からは平均的な料金になるよう旧町間で高いところは下げ、低いところは上げるという形で調整が行われた後、平成22年4月から統一が図られることとなった。
効果の検証
 住民説明会では料金が高くなる地域から高くなる理由についての質疑が寄せられたが、経過措置が設けられ、平成19年3月までは旧町における従来どおりの料金体系が続くことになったため、現段階では特に住民の反応はみられない。
財政状況と公共料金の関係
 平成19年3月までは旧町における従来どおりの料金体系が続くことになったため、現状では合併の影響はみられない。
 水道事業は企業会計を導入しており、最も料金の低い町の水準に合わせると、一般会計からの繰り入れが必要となり、財政運営に与える影響が大きいことから、経過措置後については旧町間の平均的な料金が設定されることとなった。旧町間で料金が高いところは下げ、低いところは上げるという形で調整が行われるため、経過措置後も収入面での大きな変化はないと予想されている。
今後の展望
 水道料金は平成20年4月に見直しが実施され、2010年4月から統一が図られる。
 水源は三重県企業庁が行っている南勢志摩水道用水供給事業を利用しているが、平成17年度から水道用水の利用料金が改定され、市の負担が軽減されることから、将来的には水道事業会計への影響を見ながら、各家庭の水道料金も見直される可能性はある。
その他
一般ごみ
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
50円 一般家庭で一袋(40リットル)使用した場合の料金



※45リットル
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
50円
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
100円
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
40円
(3) 志摩町
【シマチョウ】
100円
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
100円
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
22円※
公共料金決定の経緯
 広域連合でごみ処理施設を整備する計画もあったが、人口規模から考えて100t/日以上のごみは出ないため、効率化のメリットは見出されなかった。
 旧5町のごみ処理施設はすでにダイオキシン対策がなされていたため、合併後も既存施設が有効利用されることになった。(可燃ごみの処分施設は直営で行われており、1町がRDF処理、他の4町は焼却処理されている。)
 また、旧5町とも処分場を保有しており、ごみの収集運搬(収集方式、収集回数)・処分については、当分の間従来どおり行われることとなった。
 ごみ袋は市の指定した袋とされ、料金は合併時に統一されることとなった。(回収ボックスや指定容器など、旧町独自の方法については2〜3年の間、従来どおり使用できるようになっている。)
 指定ごみ袋の料金は「ごみ処理手数料」であるという考え方に基づいて設定されており、処理施設や処分場の維持管理費など、総合的なごみ行政の遂行に必要な費用に充当するための収入として捉えられている。指定ごみ袋の料金を単なるごみ袋代と捉えていた町では、今まで安い料金が設定されており、料金の値上がり幅が大きくなっているが、旧5町全体では平均的な水準になるように新たな料金設定が行われた。
 合併協議会での議論としては、諸費用を加味した料金設定にすることで、ごみの減量化にもつながるのではないかという意見も出された。
効果の検証
 合併後もごみの収集運搬・処分の方法は変わらず、旧町指定のごみ袋も平成17年3月31日まで使用できることから、現段階では特に住民の反応は寄せられていない。
財政状況と公共料金の関係
 志摩地域内のごみ処理量はやや減少傾向にある一方、ごみ処理経費は年々増加している。そのため、今後の財政への影響を勘案して、ごみ処理手数料という考え方に基づいて指定ごみ袋の料金が設定された。
今後の展望
 旧町単位でみると、ごみの収集を行政直営で行っているところがあることから、コストを下げるためにも今後は民間事業者への委託を検討する必要があると考えている。
その他
粗大ごみ
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
300円
(100kgまで)
粗大ごみの個別の手数料は廃止し、重量料金制に統一。

※100sまで300円、100sを超えた場合は10s毎に30円加算。
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
300円
(100kgまで)
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
400円
(100kgまで)
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
300円
(100kgまで)
(3) 志摩町
【シマチョウ】
500円(1個)
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
500円(1個)
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
500円(1個)
公共料金決定の経緯
 粗大ごみについては旧町間で制度が異なっていたため、個別の手数料は廃止され、重量料金制に統一されることになった。
 料金については、旧町間で最も低い町の水準に設定された。
効果の検証
 粗大ごみは、従来どおり施設や処分場へ直接持ち込むことになった。
 旧町間で最も低い町の料金水準に設定されたことから、現段階では特に住民の反応は寄せられていない。
財政状況と公共料金の関係
 合併時の財政状況との直接的な関係や、合併後の負担増加に伴う財政状況への影響はみられない。
今後の展望
 旧町間で最も低い町の料金水準に統一されたことから、当面料金改定の予定はない。
その他
保育所保育料
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
国基準との比較(年間)

旧大王町以外の旧4町は、平成17年4月から保育料の統一が図られる。(56.31%)
経過措置後
(H22.4)
志摩市
【シマシ】
59.65%
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
65.29%
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
42.95%
(3) 志摩町
【シマチョウ】
64.89%
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
58.16%
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
69.72%
公共料金決定の経緯
 旧大王町では福祉施策に力を入れていたために保育料が低く設定されており、旧町間での料金格差が著しく大きかった。そのため、旧大王町に限って経過措置が設けられた。
 旧大王町以外の4町については、従来の料金が加重平均され、平成17年4月から統一(平成16年度中は旧町の料金)が図られることになった。
 旧大王町については、平成17年4月から3年間従来どおりの料金が維持されるが、4年後の平成20年度に値上げが行われ、平成22年4月に統一が図られることになっている。
効果の検証
 料金の統一は平成17年4月からであり、旧大王町では3年間従来どおりの料金体系が維持されることになったため、現段階では特に住民からの反応は寄せられていない。
財政状況と公共料金の関係
 財政運営への影響が大きいことから、旧大王町の水準に統一することはできず、加重平均するという方法により料金が設定された。
今後の展望
 旧大王町以外の4町については平成17年4月から統一されるが、全域での統一は平成22年4月からであり、当面改定の予定はない。
その他
給食費
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
小学校6年生の一月(20日)の料金(1人)

給食センター方式の料金
経過措置後
(H17.4)
志摩市
【シマシ】
3,800円
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
不均一料金
(合併前と同じ)
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
4,500円
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
3,800円
(3) 志摩町
【シマチョウ】
4,000円
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
3,500円
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
3,900円
公共料金決定の経緯
 給食費は平均的な料金水準であった旧大王町の例をもとに平成17年4月から統一され、適正な料金体系の確立が図られることになった。
効果の検証
 料金が値上がりすることになる地域の保護者やPTAからは再考の要請があったが、最終的には旧町間の平均的な料金が適用されることになった。
 料金の統一は平成17年4月からであり、現段階では実際に住民からの反応は寄せられていない。
財政状況と公共料金の関係
 財政への影響が考慮され、旧町間で最も低い水準に統一するのではなく、平均的な料金が適用されることになった。
今後の展望
 現在は据置期間中で、平成17年4月から料金が統一されることになっており、当面改定の予定はない。
その他
生活援助員派遣
市町村名 料金 料金の単位・その他
現在
(H16.12)
志摩市
【シマシ】
合併前と同じ 1回あたり利用料本人負担額(週1回、1時間の家事援助サービス)
経過措置後
(H17.4)
志摩市
【シマシ】
250円
(60分ごと)
合併直後
(H16.10)
志摩市
【シマシ】
合併前と同じ
合併直前
(H16.9)
(1) 浜島町
【ハマジマチョウ】
200円
(2) 大王町
【ダイオウチョウ】
220円
(3) 志摩町
【シマチョウ】
経費の1割
(4) 阿児町
【アゴチョウ】
400円
(5) 磯部町
【イソベチョウ】
200円
公共料金決定の経緯
 旧5町の社会福祉協議会は町の合併と同じく、平成16年10月1日に一本化された。
 生活援助員派遣は軽度生活援助事業として従来から社会福祉協議会に委託されており、利用料については旧町間で差がみられたが、介護保険制度に準じて1割徴収の方向で調整が行われた。
効果の検証
 平成16年度中は旧町の行っている事業が継続して実施されており、現段階では特に住民の反応は寄せられていない。 
財政状況と公共料金の関係
 財政への影響が考慮され、介護保険制度に準じて1割徴収するという方向性で新たな料金が設定された。
今後の展望
 現在は経過措置期間中で、平成17年4月から新たな料金が設定されることになっており、当面改定の予定はない。
その他

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